全紙媒体に愛を捧げる。

そういうことです

中村文則『教団X』

いつだかのアメトーーク!で取り上げられていたこちらの本。

 

教団X (集英社文庫)

教団X (集英社文庫)

 

 

 

その時はまだ単行本だったので、「面白そう」と思いつつも手を出さずにいました。本を読む時は断然文庫本派。

そんな作品が満を持して文庫化! 買わずにはいられないと思い早速購入&読了(実際に読み終えたのはもうちょっと前の話です)。

 

 

 

あらすじ

突然自分の前から姿を消した女性を探し、楢崎が辿り着いたのは、奇妙な老人を中心とした宗教団体、そして彼らと敵対する、性の解放を謳う謎のカルト教団だった。二人のカリスマの間で蠢く、快楽と革命への誘惑。四人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。著者の最長にして最高傑作。

(文庫本裏のあらすじより抜粋)

 

 良かったところ

①テーマ

個人的には良いテーマだったのではないかな、と。

一般的な話ですが、「日本人は無宗教」と言われるくらい(下手したら自分でそう名乗ってしまうほど)宗教というものが生活において占める割合が低いと思います。それの良し悪しは置いておくとして。

それゆえ、私たちは殆ど、宗教というものが、ある人にとっては心の拠り所になり得るくらいのものであるということを知りません。

とはいえ、人って何かしら自分の拠り所、悪く言えば「依存」できるものを持ちたがる生き物だと思います。ある人にとってはそれか家族だったり、恋人だったり、ペットだったり、はたまた趣味だったりするわけで。その内実は千差万別です。そしてもちろん、それが宗教だという人も少なからず存在します。

 

私は中高大、キリスト教系の女子校に通っていました。特に中高では毎朝礼拝があり、洗礼を受けている人もそうでない人もイエス様に向かって祈りを捧げるのが常でした。

私はあいにくキリスト教徒ではありませんが……。

ただ、そうした毎日を送る中で気づいたのは、信仰がある人は「強い」ということ。信仰が日々の生活を生きる中での支えになり得るということでした。

 

『教団X』内に出てくる宗教と、キリスト教ではなにもかも違います。ただ、何か一つを強く信じ、心の拠り所を求める姿は共通するものがあるのかな、と思いました。

 

②よっちゃんさんのスピーチ

よっちゃんさんが誰か、という話はひとまずここでは置いておくことにして。

 

著者の中村文則さんも巻末の「文庫解説にかえて」で触れてらっしゃるので、書いたご本人もこのスピーチには思い入れを持っていらっしゃるのかと思われます。

 

「(中略)でもああいうことを理想だと言い、現実は云々と言い、いかにも自分は現実を見ているというような気持ち良さに浸るのは簡単です。理想を捨てれば人類は後退するだけです。あの理想を掲げながら現実の中でどう平和に向かい奮闘するかが大事なのです。(中略)」

「私たちは、世界を肯定しましょう。世界の全てでなくてでもいい。世界の何かは肯定しましょう。(中略)」

(『教団X』、p590より抜粋。 )

 

この中でも特に「理想を捨てれば人類は後退するだけ」という言葉が好きです。

私は人は目標や理想があるからこそ、頑張れる生き物だと感じています。たとえその目標や理想が眼前で打ち砕かれても、新たなゴールを見出して、よりよい形にしようと努める。

それはもちろんよっちゃんさんのいう「世界」という大きな話でもあるかもしれませんし、反対に「個人」という小さな世界での話かもしれません。

ただ共通して言えるのは、理想や目標を打ち捨ててしまうと、これ以上の成長は見込めないということ。

 

ここがダメ

①文章が肌に合わない

これに尽きます。いやいやそんなの買う前に見極めろよ、って話かもしれませんが。

特に登場人物たちが混乱しているシーンを強調するような書き方をしている箇所が本当にダメでした……。読んでるこっちが混乱する。

 

②何が書きたかったのかわからない

生の話かと思えば平和だったり、悪VS光のような構図を取ってみたり……。

読んでいてもテーマがあっち行ったりこっち行ったりするから、「だから結局どっちだよ!!!!」となってしまう。

先ほど言ったように、宗教をテーマにしたのは個人的にすごく良かったと思いますし、面白いとは思いますが、いかんせん何を書きたかったのか、何を伝えたかったのかが不明瞭だなあと思いました。

これだけの長編だから(文庫本で600ページ弱)、何かしら著者が伝えたかったことはあると思うのですが…残念です。

 

こっちもおすすめ

同じカルト宗教を題材にしたものだったら個人的には中島らもの『ガダラの豚』のほうが完成度は高いかなーと思いました。

アフリカが舞台なので、アフリカ興味あるという人でも面白く読めそうです。

 

 

ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)

ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)

 

 

 

おわりっ

 

つゆきゆるこ先生『ストレンジ』

ある日の某アニメイト(隠せてない)での友人との会話。

 

ワシ「おすすめのBLない?あんま肉!!!って感じのじゃなくて、どっちかっていうと友情寄りで絵が綺麗なやつ」

友人「注文多いなwwこれとかどう?」

 

といって彼女が渡してくれたのがつゆきゆるこ先生の『ストレンジ』でした。

 

ストレンジ (torch comics) | つゆきゆるこ |本 | 通販 | Amazon

 

今日はこの作品について書くぞーーーと思ったけど私普段BL漫画一切読まないので、自己満!注意!!

 

 

あらすじ

あらすじを書くほど長い物ではない短編集だから)。概要をざっくりお伝えすると男6組12人のお話です。それぞれのお話に関連性はなかったと思います。

ゲイバーで働くお姉さん(?)と男子高校生とか、ヤンキーと根暗な男の子とか、伯父と甥とか。

これがよくある設定なのか私には推し量れませんが、とにかくそんな感じ。

ちなみに性的描写は皆無でした(たぶん)。

 

結論:私これめっちゃ好き

 

お前の話なんかどーでもえーねんって方もいらっしゃると思いますが、私はこれ!!めちゃめちゃ!!好みです。

 

好みポイント↓

①性的なつながり<精神的つながり

②絵が好み

 

 

-①性的なつながり<精神的なつながり

つながりって言っていいのかわからない部分もあります。が、心理描写が綺麗。

お互いがお互いに惹かれ合う描写がめちゃめちゃ好みでした。

 

各作品で登場人物たちがそれぞれの意外性を発見し、惹かれていく様子。それが恋なのか何なのかは私にはあずかり知らぬところですが、内面にふれあい相手に魅力を感じるのはどこの世界にも存在するんだな〜〜〜〜と思いました。

BL=性描写、みたいな偏ったイメージを抱いていた私には「これをBLという括りにしていいのか……?!」と思ってしまうほど純粋なものに映りました。

 

男女の恋愛でも「意外性」は、良くも悪くも一つのキーワードになるわけで。

普段強面なヤンキーがネコ拾ってたり(矢沢あい先生『天使なんかじゃない』)、王子様みたいなカレ♡が本当は悪魔のような人間だったり(八田鮎子先生『オオカミ少女と黒王子』)。

やっぱりなんなんですかね、私がツンデレを好きなのと同じように(聞いてない)、人間は自分の思い通りにならないもの、予想を裏切るものが好きなんですかね。不思議ですね。

まあそれは置いといて。

 

意外性を発端として惹かれあい、恋じゃないにしてもお互いがお互いにとってある意味「特別」な存在になれる。

恋じゃないけど、友情を超えた何かがこの『ストレンジ』の先には待っているような気がします。

 

ー②絵が好み

 

これは絵を直接見てくれ。以上だ!!!!

 

 

ちゃんちゃん

思い出したら書き足します。